【商品紹介動画の作り方】完成までの流れ&効果の高い動画作りのコツ
ネット環境の普及拡大により、商品紹介の方法も従来の紙媒体から動画へと急速に置き換わっています。
販売促進、売上UPを目指す企業や店舗の経営者さんの中には
「商品の紹介方法をチラシやパンフレットから動画へと切り替えたい」
「動画をSNSにアップして、もっとたくさんの人に商品のことを知ってほしい」
と考えている人も多いのではないでしょうか?
しかし、初めて商品紹介動画を作る場合
「そもそもどうやって作ればいいの?」
「より魅力的な商品紹介動画を作るにはどうすればいいの?」
などさまざまな疑問が湧いてくるはずです。
そこで、今回の記事では「商品紹介動画とは?」という基本的なところから、実際の作業の流れ、さらにはより効果を発揮する魅力的な商品紹介動画を作るコツまで詳しく解説していきます。
商品紹介動画とは
商品紹介動画とは、まだ商品の存在を知らない人、また商品購入を検討している人などに向けて自社の商品を分かりやすく説明する動画です。
最近では以下のような理由から、商品説明の動画化は有効なマーケティング戦略の一つとして、多くの企業が活用しています。
- インターネットの普及
- 大容量のデータを高速で送受信できる5Gサービスの開始
- YouTubeなどの動画コンテンツのユーザー数の拡大
動画が人々の生活の一部となった今、商品紹介動画を制作、活用し、販売促進を行うことはこれからの時代に合った販売促進の有効な手段といえるでしょう。
商品紹介動画の種類と活用シーン
商品紹介動画には以下のようにいくつかのタイプがあります。
商品紹介動画の種類 | 目 的 | 活用シーン |
認知度UPを目的とする動画 | できるだけ多くの人に商品について知ってもらいたい | ・WEB広告 ・デジタルサイネージ ・展示会 ・イベント |
販売促進を目的とする動画 | 視聴者の購買意欲を高め、売り上げUPに繋げたい | ・WEBサイト ・YoutubeなどのSNS ・店内の商品横に設置したモニター |
商品の使い方などのマニュアル動画 | 購入後の取り扱い説明やよくある疑問などを分かりやすく説明したい | ・WEBサイト ・YoutubeなどのSNS |
商品紹介動画を作る際には、まず「どんな目的で商品紹介動画を活用するのか」を決め、目的に合った動画を作りましょう。
商品紹介動画活用3つのメリット
それでは商品紹介動画を活用することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?
以下、3つのメリットについてご紹介します。
メリット1:業務を効率化できる
一つ目のメリットは、業務を効率化できることです。
スタッフが口頭でお客様に商品の説明を行わなくても、動画を視聴することで商品のアピールポイントや使用方法などを一目瞭然分かりやすく理解してもらうことができるからです。
お客様に商品を購入して頂くためには、その商品がお客様に対していかに価値があるものなのかをまずは知ってもらわなければいけません。
商品の説明を動画化してしまえば、スタッフが今までお客様一人ひとりに口頭で伝えていた説明が不要になります。
説明作業が不要になった分、スタッフは空いた時間を別の業務に当てることができるようになり、作業を効率化することができるのです。
メリット2:商品の情報が伝わりやすい
商品紹介を動画するメリットは、以下のような静止画の広告媒体に比べ伝えられる情報量が圧倒的に多いことです。
- 折り込みチラシ
- 新聞や雑誌などの広告
文字、静止画、動画で情報の伝達量を比べると、静止画は文字の7倍、動画は文字の5,000倍の情報を伝えられると言われています。
更に2014年4月に、アメリカの調査会社Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士のが行った研究では
- 1分間の動画から伝わる情報は文字に換算すると180万語
- Webページに換算すると役3,600ページ分
という結果が発表されています。
これだけ多くの情報を伝達できる動画を上手く活用できれば商品の売上UPも夢ではないでしょう。
メリット3:購買意欲が向上する
商品の紹介を動画で行うことで、購買意欲の向上が期待できるのも大きなメリットの一つです。
商品の使用方法を視覚と聴覚を使って分かりやすく説明することで、動画を見た視聴者も実際にその商品を使っているところをイメージしやすくなるからです。
現在の生活に役立つと判断してもらうことができれば、「こんなに便利なら、効果があるのなら私も使ってみたい」と自然と購買意欲も高まるはずです。
商品紹介動画の2つの作り方
商品紹介動画を活用することにより効果的に販売促進することができることがお分かり頂けたと思います。
それでは、実際に商品紹介動画はどのようにして作れば良いのでしょうか?
方法1:動画制作会社に外注する
動画制作の知識やスキルがない、また初めて販促動画を作るなどの場合には、動画制作会社に外注するのが一番安心です。
どのような販促動画を作りたいのかを動画制作のプロに伝えることで、目的に沿ったクオリティーの高い販促動画を作ることができます。
しかし、動画制作会社といっても大小さまざまあり、大手の動作制作会社へ依頼する場合にはどうしても費用が高くなってしまいます。
最近では、フリーランスとして働く動画クリエイターも多く、スキルの高いプロクリエイターさえ見付けることができれば、高クオリティーかつ低価格のコスパの良い販促動画を作ることも可能です。
参考までに、販促動画を外注する場合のおおよその費用相場をまとめると以下の表のようになります。
外注先 | 費用相場 |
フリーランス | 10~30万円程 |
中小の動画制作会社 | 30~200万円程 |
大手の動画制作会社 | 200万円~ |
各外注先の価格帯に差があるのは、そもそも制作会社によってそれぞれ費用が異なることと、以下の違いにより価格が変動するためです。
- 撮影場所を何か所にするか
- スタジオレンタル料
- キャスティング(自社スタッフorプロ)
- 撮影機材のクオリティー
上記の条件により完成した動画のクオリティーも異なります。
撮影に手をかければそれだけ発生する費用も高くなるというわけです。
方法2:自社で作る
社内に動画制作のスキルを持つスタッフが在籍している場合には、自社で販促動画を作るのも良いでしょう。
自社で販促動画を制作すれば編集ソフトや撮影機材などを初期投資するのみで、人件費をかけずに販促動画を作ることができます。
はじめのうちはプロの動画制作会社に外注するよりも、工数はかかるかもしれません。
しかし、じっくりと検討、制作、改善を行うことで自社の動画制作スキルも高まり、いずれはそのスキルが自社の財産となるでしょう。
反面、クオリティーの低いままで販促動画を配信してしまうと、会社としてのマイナスイメージに繋がってしまうというデメリットもあるため十分注意が必要です。
商品紹介動画完成までの5ステップ
商品紹介動画は、実際にどのような工程で作られるのでしょうか?
作業の工程を手順ごとに詳しく解説していきます。
手順1:予算を決める
まずは、商品紹介動画を作るために自社としてどのくらいお金をかけられるのかを決めましょう。
おおまかな予算を決めることで、以下のように動画の作成方法がある程度決まってきます。
- カメラや機材、動画編集ソフトなどの初期投資のみで済む自社開発
- 動画制作会社に依頼する
動画制作会社に依頼する場合、さらに予算によってクオリティーに違いが出てきます。
- タレントをキャスティングする
- ナレーションをプロに頼む
- オリジナルのBGMの作曲を依頼する
- スタジオを借りる
条件により制作費用も変わってくるので、予算に応じた条件のすり合わせを行い、お互いの完成イメージの共有を行いましょう。
手順2:企画・構成
予算が決まったら、次はどんな動画を作るのかを決め、実際の動画の設計図である構成を考えていきます。
この企画・構成の工程を妥協なく行うかどうかは商品紹介動画のできを左右する大切なポイントです。
まずは、動画の目的を明確にするためにも、「6W1H」にあてはめて動画の方向性を決めていきましょう。
WHAT(何を) | 視聴者に何を伝えたいのかを決める ・商品の名前、機能 ・操作説明 ・お手入れの方法 |
WHY(なぜ) | 目的を決める ・認知度UP ・販売促進 ・マニュアル&トラブル時の対処法 |
WHO(誰が) | 誰からのメッセージなのかを考える ・企業 ・開発者 ・ユーザー |
WHERE(どこで) | どの媒体で動画を配信するのかを決める ・WEBサイト ・YouTubeやInstagramなどのSNS ・デジタルサイネージ ・店頭 ・展示会やイベント など |
WHEN(いつ) | 視聴者にいつ動画を見てもらいたいか ・関連ワードを検索している時 ・SNSを閲覧している時 ・視聴者が閲覧しそうな時間帯 |
WHOM(誰に) | 動画を誰に見てもらいたいのか ・消費者 ・年齢や性別 ・企業 ・居住地域 |
HOW(どのように) | 6Wを踏まえて、どんな動画にするのか全体像を考える ・キレイに ・感動的に ・コミカルに ・かわいく など |
上記が明確になったら動画の尺を決め、おおまかに冒頭・中盤・終盤でどのような内容を盛り込むかを決めます。
その後、「開始何秒間はオープニング、その後何秒までの間に視聴者の悩みに共感し、解決策を明示、その後商品の詳しい説明に入る」など、動画の細かなコマ割りをしていきます。
動画を制作するスタッフのイメージを共有化できるように、動画全体の絵コンテも作成しましょう。
手順3:撮影
どの様な動画を作るのか細かいイメージが決まったら、次は実際の撮影です。
カメラを使い、絵コンテを見ながら必要な素材を撮影していきます。
編集の工程で「あのカットを取り忘れた」、「撮影した素材に雑音が入っていた」などの問題が発生した場合には、撮り直し作業が発生し二度手間になってしまいます。
撮影時には、必要な素材がきちんと撮れているか、また天候や明るさ、雑音や空調の音など撮影環境に十分に気を配りながら撮影を行いましょう。
手順4:編集
撮影が終了したら、今度は動画の内容や尺に合わせて編集ソフトで不要な部分をカットし、必要に応じて以下の素材を追加していきます。
- テロップ
- ナレーション
- BGM
- 効果音
手順5:動画の書き出し
最後に、配信媒体に合わせた動画形式、画面サイズに合わせて動画を書き出し完成です。
動画を複数の媒体に配信する場合には、媒体の規格に合わせて書き出しを行い、数種類の動画ファイルを作成します。
商品紹介動画を作る際の注意点!
商品紹介動画を作る際に気を付けるべきポイントとはどのような部分なのでしょうか?
正確な情報を伝える
一番大切なことは、正確な情報を伝えることです。
とにかく購買に繋ぎたいと思うあまり、本来の商品では得られない効果や、虚偽の内容を伝えるのは絶対にNGです。
たとえその動画を見た視聴者が商品を気に入り購入しても、その後「動画と内容が違った」と不信感を感じれば、企業としての信用を失ってしまいます。
信頼できる企業であることを知ってもらうためにも、商品のありのままを正しく紹介、アピールしましょう。
BGMの音量は適切か
BGMの音量が適切になっているかどうかも忘れずにチェックしましょう。
例えば、「BGMの音量が大きすぎて、動画内での人の声やナレーションが聞こえない」など、視聴者に伝えたい部分をBGMがジャマしていないかどうかを確認します。
トンマナをそろえる
トンマナを揃えることで、動画全体の統一感を演出することができます。
トンマナとは、トーン&マナーの略で、デザインに一貫性を持たせ、印象を統一させるためのルールのことです。
フォントや色、言い回し「ですます調」で揃えることで、動画全体のイメージがごちゃつかず、統一感が生まれます。
完成した動画を一通り見返し、トンマナがしっかりと揃っているかを確認しましょう。
適切な長さになっているか
配信する動画を媒体に合わせて適切な長さにするのも大切なポイントです。
例えばYouTube広告などで商品紹介動画を配信する場合、開始から数秒後にユーザーがスキップできるという機能があります。
特にSNSの場合には、短時間でインパクトのある動画を作る事が必要になるため、動画の尺は長くても1分半くらいにするのがおすすめです。
また、通販サイトの商品ページなどを閲覧するユーザーは、かなり具体的に購入を検討している場合が多いので、より詳しくその商品について知れるように、少し長めの動画を作成します。
目的や媒体に合わせて適切な動画の尺を決めましょう。
音楽や画像の著作権にも注意が必要
既存の音楽や有料の画像には著作権があり、このような素材を無断で使用した場合には、著作権侵害になってしまいます。
これをYouTubeなどにアップロードしてしまうと、意図した、意図していないにかかわらず違法アップロードとなってしまうため十分に注意しましょう。
動画が一著作権侵害に該当してしまうと、動画を配信した企業のマイナスイメージに繋がってしまう場合もあるため、しっかりとチェックを行うことが大切です。
より魅力的な商品紹介動画を作るための5つのコツ
商品紹介動画をより魅力的なものにするためのコツを以下紹介していきます。
目的とターゲットは明確に
商品紹介動画の種類のところでもお伝えしましたが、「どのような目的で動画を作るのか」という目的、また「誰に届けたいのか」というターゲティングの分部は重要です。
特にターゲティングは非常に重要です。
例えばSNSで動画を配信する場合には、媒体によって微妙に利用者層が違ってくるため、適切な媒体を選び配信を行いましょう。
SNSの種類 | 利用者層 |
20~50代のビジネス層が中心 | |
10~30代が最も多い | |
80%が20代 | |
YouTube | 10~50代がまんべんなく利用 60代の利用率は60% |
またSNSは拡散されやすい媒体です。
もしリーチしたいターゲット層にピッタリとはまれば動画が拡散されさらに多くの人に商品について知ってもらうことができるでしょう。
視聴者ファーストな動画
商品紹介動画の大切なポイントは「視聴者ファースト」であることです。
商品を手掛けた担当者は商品に対する思い入れも強く、あれもこれもとついつい多くの情報を詰め込みすぎてしまいがちです。
しかし、情報を多く詰め込み過ぎてしまうと、結果的には何を伝えたいのかが分からない動画になってしまいます。
消費者が商品を手にすることで、どのようなメリットがあるのかをシンプルに伝えることを念頭に置き、動画を組み立てていきましょう。
アニメーションやテロップを上手に活用する
アニメーションやテロップも上手に活用していきましょう。
商品紹介を動画で行うメリットは、視覚と聴覚両方に訴え、短時間で沢山の情報を伝えることができる点にあるからです。
- 強調したい部分には、効果音を入れる
- 分かりにくいところにはアニメーションを入れる
- 映像だけでは伝わりにくいところはテロップで補足する
- 悩みの分部は暗いBGMを、商品の良さを伝える部分は明るいBGMを
など、商品の魅力が十分伝わるようにアニメーションやテロップを最大限に活用しましょう。
差別化ポイントや商品の強みを強力にアピール
自社の商品が、競合他社に負けないという差別化ポイントを強力にアピールすることも大切なポイントです。
例えばダイエットに効果があるサプリの購入を検討しているユーザーの場合、口コミが高い、すぐに効果が出る、リバウンドが少ないなど他社とは違う部分をアピールすれば、数ある競合他社の商品の中から「コレ!」と自社の製品を選んでもらうことができます。
定期的に動画を更新しブラッシュアップする
販促動画を作り配信したからといって、一発で効果が上がるわけではありません。
いくつかパターンの違う動画を配信したり、動画の一部分を変更し、効果の違いを調べながら販促効果の検証をしましょう。
どのような動画にすれば訴求力が高くなり、販促効果が高まるのかを常に考えながら、改善を重ね動画をブラッシュアップしていくのも大切なポイントの一つです。
まとめ
ネット環境が整いユーザー層が拡大している動画市場で、視覚や聴覚で分かりやすく商品の内容について紹介することができる商品紹介動画の活用は、大変おすすめです。
商品紹介動画を上手に使い、企業のイメージアップ、売上アップへと繋げましょう。