YouTubeはバズらないと伸びないのか?バズる動画の作り方も大事だけど、目的に沿った動画を作る大切さとは
YouTube成長パートナーのケビンです。
私は日々、企業や店舗のYouTube運用や情報発信の支援を行っています。その中で、よく聞かれる質問があります。それが「やはりバズらせたほうがいいのでしょうか?」というものです。
再生回数が一気に伸びる、話題になる、多くの人に知られる。いわゆる「バズる」状態は、発信者にとって非常に魅力的に映ります。しかし、私はこの「バズ」という言葉について、少し冷静に、目的から考える必要があると考えています。
この記事では、私自身の経験や事例をもとに、バズとは何か、なぜ人はバズを求めるのか、そして企業や店舗が本当に目指すべきYouTube運用とは何なのかを整理してお伝えします。
この記事は、『YouTubeの始め方・伸ばし方の教科書』を文字起こしした内容になっています。動画で見たい方はこちらもぜひチェックしてください。
バズるとは何かを改めて考える

まずは、「バズる」という言葉の意味と、その捉え方について整理します。
「バズる」は結果であり、目的そのものではありません。この前提を理解することが重要です。
一般的にバズとは、話題になり、多くの人に一気に拡散される状態を指します。SNSやYouTubeで急激に再生回数が伸びたり、メディアに取り上げられたりする現象です。
私は「バズる」という言葉を、話題になった結果だと捉えています。そのため、「バズらせたい」と考え始めた瞬間に、少し視点がずれてしまうケースも多いと感じています。
なぜなら、話題になること自体を目的にすると、
- 何のために発信しているのかが分からなくなる
- 視聴者の反応ばかりを追いかけてしまう
- 本来伝えたい価値から離れてしまう
といった状態に陥りやすくなるからです。
なぜ人はバズりを求めてしまうのか
バズることへの憧れは、決して悪いものではありません。ただし、その感情の正体を理解しておかないと、発信の軸を見失う原因になります。
YouTubeやSNSを運用していると、「バズ=成功」のように感じてしまう瞬間があります。
- 再生回数が多いと評価されている気がする
- バズらないと面白くないと思われるのではないか
- 「YouTubeをやっている」と胸を張って言えない気がする
こうした感情は、多くの発信者が一度は抱くものです。私自身も、初めてバズを経験したときは、正直なところ嬉しかったです。
ただし、その一方で、バズは一瞬で終わることが非常に多いという現実もあります。いわゆる「打ち上げ花火」のようなもので、瞬間的には明るく輝きますが、すぐに消えてしまうことも珍しくありません。
バズることが有効になるケースとは

バズが必ずしも悪いわけではありません。目的によっては、非常に有効な手段になるケースもあります。
例えば、「とにかく多くの人に知ってもらう」ことが目的の場合、バズることは非常に強力です。
- 新しい商品やサービスを知ってもらいたい
- お店の存在を広く認知してもらいたい
- まだ知られていない活動を拡散したい
こうした目的においては、バズりによる拡散力は大きな武器になります。実際、SNSで話題になった内容がニュースやテレビ番組で取り上げられるケースも多く見られます。
特に企業規模が大きくなるほど、認知拡大のためのバズは意味を持つ場面もあります。ただし、継続的にバズり続けることは非常に難しいという点も忘れてはいけません。
目的と手段を取り違えないことが重要

バズることはあくまで手段です。目的になってしまった瞬間に、発信の方向性が大きく狂い始めます。
YouTubeやSNSは、本来何かしらの目的を達成するためのツールです。
例えば、
- 売上を伸ばしたい
- 商品やサービスの理解を深めてもらいたい
- 採用につなげたい
- ファンを増やしたい
こうした目的が先にあり、そのための手段として動画や発信があります。ところが、「バズること」そのものを目的にしてしまうと、本末転倒な状態になります。
一方で、最初から「バズりだけを狙うアカウント」も存在します。その場合は、バズること自体が目的なので、話は別です。このように、目的と手段が一致していれば問題はありません。
企業・店舗がYouTubeを活用する際の考え方

企業や店舗がYouTubeを運用する場合、営業やサービスの延長線上として考える視点が欠かせません。
多くの企業や店舗にとって、YouTubeは本業を支えるための手段です。そのため、動画単体で完結するのではなく、
- 来店につながるか
- 商品購入につながるか
- ファン化につながるか
といった視点が重要になります。
例えば、普段お店では見せられない製造工程や裏側を紹介することで、
- こだわりのあるお店だと伝えられる
- 商品への理解が深まる
- 愛着や信頼感が生まれる
といった効果が期待できます。これは必ずしもバズらなくても、確実に価値を積み上げていく発信です。
感情をどう動かすかが重要

人が動画を見るきっかけは「感情」です。驚き、感動、興味といった感情が、次の行動につながります。
知らないものに触れたとき、人は「これは何だろう?」と興味を持ちます。そこに、
- 驚き
- すごいという感情
- 感動
といった感情が加わることで、動画を最後まで見たり、チャンネル登録をしたりします。その結果、繰り返し視聴され、ファンになっていきます。
どのタイミングで、どの感情を動かしたいのかによって、動画の内容や見せ方は変わってきます。
バズった経験から得たもの

ここで、私自身が経験したバズった事例を一つご紹介します。
約9年前、Facebookでライブ配信した着物の染色工程の映像があります。墨流しのような技法で、見た目は絵の具を垂らしているように見える内容でした。
当時のフォロワー数は2〜3万人ほどでしたが、その映像は結果的に60万回以上再生され、大きく拡散されました。
このバズりの要因は、
- 多くの人が知らない工程だった
- 見た目の驚きがあった
- 作り込まれすぎていない自然な映像だった
といった点にあったと考えています。ただし、このバズが直接的に売上につながったかというと、それは別の話です。
バズはコントロールできない

バズは狙って生み出せるものではありません。アルゴリズムや他者の拡散など、多くの偶然が重なった結果です。
同じ内容を何度も繰り返しても、同じようにバズるとは限りません。実際に私も、同様の内容を後から試しましたが、同じ結果にはなりませんでした。
また、あまりにも作り込まれた映像や、意図的すぎる拡散は、視聴者に違和感を与えることもあります。自然体であることが、結果的に共感を生むケースも多いのです。
数字に惑わされない視点を持つ

再生回数や「いいね」の数だけで判断すると、本質を見失います。
例えば、海外の視聴者が多くバズったとしても、
- 来店できない
- 購入につながらない
というケースもあります。数字の裏側に、
- 誰が見ているのか
- どんな人に届いているのか
を考えることが重要です。
特にショート動画は、1秒再生でもカウントされるため、数字が伸びやすい傾向があります。一方で、長尺動画をしっかり見てもらう価値は、質の高い接触時間にあります。
積み上がる再生回数を目指す

私たちが支援する際に大切にしているのは、バズることではなく「積み上がる再生回数」です。
瞬間的な何十万回再生と、長期間にわたって積み上がった何十万回再生では、価値がまったく異なります。
- 継続的に見られる
- 長くニーズがある
- 企業や店舗の土台になる
こうした動画を増やすことが、結果的に安定した成果につながります。
まとめ
バズることは目的ではなく、結果です。
バズると確かに気持ちは良いです。しかし、それがすべてではありません。
- 目的と手段が一致しているかを考える
- 知ってもらうことが第一歩
- 内容が同じだから何度もバズるわけではない
- 「積み上がった」ものと「バズ」の数字では同じ数字でも質が違う
企業や店舗がYouTubeを活用するのであれば、打ち上げ花火で終わらない発信を目指すべきだと、私は考えています。
それでも「バズりたい」という気持ちは自然なものです。その感情とうまく付き合いながら、長く価値を積み上げていく発信を、これからも一緒に考えていければと思います。
ぜひ皆さんも、焦らず、継続的な発信を大切にしていきましょう。
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